1.タイ国全般の知識

由緒あるタイ王朝の歴史から、気候、通貨、宗教、交通インフラなど、タイに関する基本的な情報を学ぶことができます。渡航に必要なお金の種類や観光ビザに関する情報の他、水掛け祭りに代表されるタイ開催の有名イベント、日本国内でも認知度が高い本場のタイ古式マッサージ、辛いだけではないタイ料理の基本、伝統的な音楽など、観光に関わる全般の基礎知識を学ぶことができます。

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観光、グルメ、世界遺産・・・ 魅惑のタイの基本情報

        

すっぱくて辛いスープ「トム・ヤム・クン」に豪華なビーチリゾート、キッチュでカラフルな雑貨や手を合わせて微笑みかける人々。タイのイメージはさまざまで、タイとはどんな国かを一言で語るのはとても難しいもの。そんなタイの基本情報について紹介します。より楽しいタイ旅行のために、タイのことをちょっと学んでみましょう。

タイの国旗

タイの正式国名は、「タイ王国」。東南アジアの中心に位置していて、人口は約6000万人と日本の半分程度(約0.5倍)、タイ族が約85%、中華系が10%、他にモーン・クメール系、マレー系、ラオス系、インド系が暮らしており、山岳部にはそれぞれの文化や言語をもった少数民族が暮らしています。ちなみに、タイの国旗の白は宗教、紺は国王、赤は国家と国民を表しているそうです。

タイの気候は、熱帯性気候となっています。年間の平均気温は約29℃で、11月~4月が乾期、5月~10月が雨季となっています。 ところで、タイと日本の時差は2時間(タイが昼12時のときは、日本は午後2時です)、電圧は220V(50hz)です。プラグはBF、Cタイプが多くなっています。日本の電化製品を利用する場合は、プラグ・アダプター・キットを携帯することをおすすめします。ただし、最近の電化製品は220Vに対応しているものもありますので、製品の取扱説明書を渡航前に確認しましょう。

タイでのショッピングに必須・・・ タイのお金ガイド

タイの通貨

タイの通貨はバーツで、補助通貨はサタンといい、1バーツ=100サタンです。硬貨は25サタン、50サタン、1バーツ、5バーツ、10バーツの4種類あります。紙幣は主に20バーツ、50バーツ、100バーツ、500バーツ、1000バーツと5種類の紙幣があり、10バーツ札も稀に見かけられます。各紙幣の色は異なっているので見分け易いです。例えば、緑は20、青は50、赤は100、紫が500、グレーが1000バーツといった具合です。

タイでは日本円を銀行や、銀行が運営する両替所で自由に換金できます。スワンナプーム国際空港の両替所は24時間オープンしています。なお、外国人観光客は、タイ国内への外貨の持ち込み額は無制限、出国時の持ち出し限度額は2万米ドル相当、または入国時に税関で申告した金額までとなっていて、これを怠る場合は、逮捕・超過額没収・提訴の対象となります。また、外国人観光客は、タイ出国の際に事前の許可なく国外に持ち出し可能な額は、一人当たり最高5万バーツまでとなっています。たばこ類の免税範囲は、紙巻きたばこ200本、紙巻含む葉巻などは総重量が250グラム以内となっています。
次に、タイ旅行の楽しみのひとつ、ショッピングで知っておきたいVATについて説明しましょう。VATとは、付加価値税のことで、タイではほとんどの商品に7%がかけられています。ただし、このVATは、タイ国内の同日同一店で購入した合計2,000バーツ以上の買い物につき、払い戻しが受けられます。必要な手続きは、「VAT REFUND FOR TOURISTS」の表示がある店で、購入時に必要事項を書類に記入し、帰国時に空港のVAT窓口で申請するだけです。

タイへの渡航でビザは必要? タイのビザ(査証)ガイド

日本国籍を持つ人が、タイ入国後30日(29泊30日)以内の観光目的の滞在の場合(往復の航空券又は他国へ出国する航空券等を所持している事が条件)、ビザは必要ありません。ただし、国際規定によりパスポートの残存期間は6ヶ月以上と定められていますので、注意してください。また、30日以上の滞在を予定している方、あるいは観光目的以外で入国される方は事前にタイ王国大使館・領事館でビザを取得しましょう。ちなみに、シニア世代を中心に人気が高まっている「ロングステイ」の場合は、長期滞在できるビザを申請する必要があります。30日以上のロングステイの場合、就労や永住を目的としないノンイミグラントビザ-O(Non-immigrant Visa-O)を取得することで1年間滞在できます(タイ国内での延長も可能)。年齢が満50歳以上であること、過去にタイへ入国拒否をされたことがなく、日本国籍または日本での永住ビザを持っていること、就労を目的としないことのすべての条件を満たしていることが申請資格となります。

タイ王朝を知ると、タイの歴史がわかる

タイの歴史は、先史時代の遺跡が数多く出土するイサーン地方(タイ東北部)からはじまります。なかでも紀元前3600年ごろから紀元後3世紀にかけての集落跡とされるウドーンターニー県のバーンチェン遺跡は、世界史上でも比較的早期の農耕文明を持ち、東南アジアで最も重要な遺跡のひとつとして世界遺産にも登録されています。 9世紀ごろ、現在のカンボジア付近にあった「クメール王朝」がタイ東北部へ勢力を拡大し、その支配が13世紀初頭まで続きました。13世紀初頭に「スコータイ王朝」が興りますが、1351年にはタイ中央部のチャオプラヤー川流域にあったロッブリーとスパンブリーが統合された「アユタヤ王朝」が台頭、15世紀中ごろには、「アユタヤ王朝」の属国となりました。この「アユタヤ王朝」が、タイの統一王朝として最も長く続いた王朝で、ビルマの「コンバウン王朝」(1753~1885)の侵略を受けて滅びる1767年までの417年間も続きました。その後、15年と短命に終わった「トンブリー王朝」を経て、1782年に「ラッタナコーシン王朝」が成立しました。19世紀にはヨーロッパの列強が押し寄せながらも中央集権的な絶対王制のもと、行政組織の改革や鉄道・道路の敷設、電気や電報事業などの近代化が行われました。それらの努力と巧みな外交政策の結果、タイは列強の侵略から東南アジアで唯一独立を守り通すことができたのです。しかし、官僚や軍部らによる1932年の立憲革命により、王は象徴的な存在として憲法に定められ、政治には直接関わらない立憲君主制へと移行しました。さらにその7年後の1939年にはシャム国から「タイ王国」と呼称を改め、現在に至っています。

タイの代表的な「まつり」三選・・・ タイのイベント情報

国民の約9割が仏教徒のタイでは、宗教行事を基にした祭りが多く、盛大に祝う風習があります。宗教的な祭り以外にも近年は、音楽フェスティバルやスポーツイベントも多く開催され、世界中から旅行者が集います。そんなタイのイベント・祭りを3つ紹介します。

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◆ 1月 ボーサーンの「傘祭り&サンカンペーン工芸品フェスティバル」

1984年以来、毎年1月の第3金曜日から日曜日まで、3日間にわたって開催されます。「サー」と呼ばれる木からつくるさまざまな唐傘の展示や、扇子・傘への絵つけコンテストをはじめ、タイ北部のランナー文化を紹介するさまざまな催しが目白押しとなっています。チェンマイ県サンカンペーン郡にあるボーサーン村は、もともと紙漉きから骨組み、紙張り、色・模様・油塗りなど古くから伝統的な方法で傘を生産してきた地域でした。お祭り当日は、色とりどりの美しいボーサーンの傘とともに、チェンマイならではの伝統工芸品をゆっくり見て回ることができます。

◆ 4月 旧正月(ソンクラーン)の「水掛け祭り」

4月の旧正月に、タイ全土で水掛けを行う「水掛け祭り」が行われます。ソンクラーンとは、タイの旧正月のことで、この時期に仏像や仏塔、さらに年長者などの手に水を掛けてお清めをするという伝統的な風習が受け継がれて来たものです。一年で最も気温の上がる季節の暑さしのぎとしても親しまれてきました。近年はそれが転じて、街で通行人同士が水を掛けあって楽しむようになり、バンコクはもちろん、各地で独自のイベントが開催され、これを目当てに多くの旅行者がタイを訪れるようになりました。

◆ 7月 ウボンラーチャターニーの「ろうそく祭り」

毎年7月頃、すべての仏教僧が寺院からの外出を禁止されるカオ・パンサー(入安居)の時期に、タイ東北地方のウボンラーチャターニーで行われる祭りです。地元の郷土職人によって寺院に寄贈される蜜蝋キャンドルの工芸品が製作され、お祭り期間中は、大小様々なサイズや形の精緻な彫刻を施された蜜蝋キャンドルのパレードが開催されます。

タイ古式マッサージでこころと体内の滞りを解消しよう

タイ旅行中に一度は体験したい「タイ古式マッサージ」。時間をかけて体中のつぼを刺激しながら、筋を伸ばしていくマッサージとして、日本でも人気があります。元々、タイでは体の不調を改善する医療的な行為として生活に深く根付いていました。現在でも、街中のいたるところで「マッサージ」の看板を見つけることができ、日常的にマッサージ店に通うタイの人々も多くいます。施術をすることで、免疫力や治癒力を高め、体を活性化させる効果があると言われ、体内の滞りを解消する役割も!
ところで、「涅槃仏像」で有名なワット・ポーは、タイ古式マッサージの総本山でもあります。アユタヤ王朝以降、宮廷医師らによって治療法がまとめられ、ラーマ3世(1824-1851)の命で壁画や鋳像、石版に記録されたものがワット・ポーに残っています。タイに古くから伝わる医薬資料を集め、それが後にタイ初の古典医療の拠点として発展することにつながりました。

人々の生活に密接なかかわりのある仏教を知ろう

国民の約9割が仏教徒のタイ。タイを深く楽しむには、タイにおける仏教について知っておいたほうがいいでしょう。例えば年代の表記にも「仏歴」というものがあり、西暦に543年を足すと仏歴になりますが、タイ人と仏教のかかわりは、年代表記だけではありません。タイには約3万もの仏教寺院があり、僧侶をあちこちで見かけるなど人々の生活に密接に関わっています。仏教寺院は、祈りを捧げる場としてだけでなく、集会所や学校といった役割を果たし、人々の暮らしと密接な関係にあるのです。さらに、「輪廻転生」を信じているタイの人々にとって「タンブン(善行を積み重ねる行為)」は大変重要な意味を持ちます。最大のタンブンは僧侶として出家すること。また、僧侶に食事の供養をすることもタンブンを積むことになります。
また、仏教に関わる祝日も多く、そうした祝日では、飲酒販売が禁止される日もあります。例えば、2月のマカブーチャ(万仏祭)やアサラハブーチャ(三宝節、2017年は7月8日)などがあります。アサラハブーチャは、釈迦が初めて弟子に対して説教を行ったとされ、僧侶は7月からの3ヶ月間、修行のために寺にこもるのだそうです。

知っていると便利! タイ・バンコクの交通機関事情

タイの首都・バンコクでの移動手段はさまざま。スワンナプーム国際空港と市内を約15分で結ぶエアポートレイルリンク(ARL)をはじめ、地下鉄(MRT)や高架鉄道(BTS)は、都心の観光に安心かつ便利な公共交通機関です。鉄道ではカバーしきれないエリアはタクシーを活用することになります。また、タイでお馴染みの屋根つき三輪「トゥクトゥク」やチャオプラヤー川を運航するエクスプレス・ボートを利用すれば移動の合間に、庶民の生活ぶりなどタイならではの光景も見ることができます。

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【1】エアポートレイルリンク(ARL)

スワンナプーム国際空港駅とバンコク市内を結ぶ、タイ国鉄が運営する高架鉄道です。バンコク市内の終点である「パヤタイ駅」で高架鉄道の「BTS」に、途中の「マッカサン駅」で地下鉄「MRT」の「ペチャブリ駅」に乗り換えることができます。

【2】高架鉄道(BTS)

BTS(Bangkok Mass Transit System Public Company Limited)は、サイアムをはじめ、ラーチャダムリ通り、スクンビット通り、シーロム通りなどバンコクの都心を運行する高架鉄道で、地元住民はもちろん、観光客にとって便利な公共交通手段のひとつになっています。シーロム線とスクンビット線の2路線があります。

【3】地下鉄(MRT)

2004年に開通した地下鉄MRT(Mass Rapid Transit Authority of Thailand)」は、2017年6月現在、ホアランポーン駅(国鉄バンコク中央駅前)とバンスー駅を結ぶ20km(18駅)を運行しています。

【4】トゥクトゥク

タイ旅情を満喫できるのが、屋根つき三輪タクシー「トゥクトゥク」です。渋滞をすり抜け、細い路地まで入って行くフットワークの軽さが利点です。料金は乗車前の交渉次第ですが、だいたい40~200バーツくらいとなります。

【5】長距離バス

バンコクを基点に地方都市を結ぶ長距離バスを使いこなすと、交通費の節約になる場合も。バンコク市内には到着方面別に主要なターミナルが3つに分かれています。北部・東北部方面へのバスが発着する「北バスターミナル(通称:モーチット)」、東部方面発着の「東バスターミナル(通称:エカマイ)」、南部・西部方面発着の「南バスターミナル(通称:サーイタイ・マイ)」などがあります。

タイ旅行の楽しみ タイ料理を知ろう!

世界三大スープの一つに数えられるトム・ヤム・クン、豚や鶏など具やスパイスの種類も豊富なカレー、あっさり味からこってり味まで楽しめる麺類など、タイの料理にはたくさんの種類があります。「辛い」と思われがちなタイ料理ですが、その味の中には「酸味」や「甘み」などが加わり、独特の美味しさを作り出しています。これらのタイ料理に欠かせない調味料「ナム・プラー」は、トム・ヤム・クンやカレーなどタイ料理に幅広く使われています。魚を塩漬けにし、発酵・熟成させた調味料(魚醤)として有名です。タイ料理の基礎を押さえて、タイ旅行を満喫しましょう。

ところで、タイ料理は、地域によって4つに区分けすることができます。北部では、脂が多めながらもマイルドな味のゲーン・ハンレー(ミャンマー風ポークカレー)やサイウア(ハーブソーセージ)などが代表的なもので、丸いお膳にいろいろな料理を載せて自分で取り分けて食べるスタイルの料理「カントーク」も有名です。東北部は、辛味と塩味が強い味。ソムタム(青パパイヤのサラダ)やラープ(ひき肉サラダ)、ガイヤーン(鶏炭火焼き)は、もち米とともに食べ蒸し暑い中でも食欲をそそります。海に囲まれた南部は、豊富な魚介類が特徴。生臭さを消すため、ターメリックなどのスパイスを使った辛い料理です。ゲーン・タイプラー(魚の内臓を使ったカレー)やゲーン・マサマン(スパイシーなイエローカレー)、カーオ・ヤム(ライスサラダ)などが代表的です。中央部はその全ての料理の影響を受けながら比較的マイルドで甘みのある味で、細長いうるち米と食べるのが一般的です。これら辛さに酸味と甘みが融合したタイ料理を暑い気候の中で一緒に味わいたいのが、タイの「地ビール」でしょう。「シンハー」「チャーン」「リオ」「プーケット」などのタイブランドのビールがあり、飲み比べてみるのもいいでしょう。

タイの古典楽器・舞踊・音楽・伝統工芸を知ろう!

13世紀頃、タイで初めての統一国家・スコータイ王朝がはじまって以来、その長い歴史の中で独自の文化を築いてきたタイには、様々な「Thainess(タイネス)=タイらしさ」が多くの人々に愛され続けています。アジアの古都にふさわしい格調と華やかさを誇る古典舞踊や伝統音楽をはじめ、地方ごとに特色のある民族衣装は、伝統芸能や伝統工芸とともに極められた美しさの象徴とも言えます。その「Thainess」のなかから、タイの舞踊、音楽、楽器、伝統工芸品について簡単に紹介しましょう。

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【1】タイの舞踊と音楽

タイ舞踊は、伝統的な古典舞踊と庶民の身近にある民族舞踊とに大別されます。もともとは宮廷用の舞踊として、スコータイ王朝やアユタヤ王朝時代から伝承されてきました。踊りは、サンスクリットの大叙事詩「ラーマヤナ」をタイ風に翻訳した「ラーマキエン」の中から題材を集めたものが代表的です。コーン・マスクという魔神の仮面をかぶり、以前は男性の踊り手だけで踊られていた舞が「コーン」(ラーマキエン仮面舞踏劇)、スローテンポで仮面をつけずに優雅に舞うのが「ラコーン」(新古典劇)と呼ばれています。この他、「ラバム」(集団舞踊)、「ラム」(一人舞踊)、「フォーン」(北タイ舞踊)があり、庶民芸能の即興歌劇「リケー」や日本の盆踊りに似たタイ東北地方の「ラム・ウォン」などがあります。バンコク市内では、国立劇場で鑑賞できる他、各舞踊のハイライトを観ながら食事ができるレストランも多くあります。

【2】タイの楽器

初期のタイの楽器には、クローン、チャプ、チンなど楽器が奏でる音が名前としてつけられていました。スコータイ王朝の時代にはより複雑な楽器が取り入れられ、基本的に楽譜は存在せず、旋律を聴いて学びます。主に弾く、打つ、吹くといった種類があります。代表的な古典楽器として、日本の琴のような形をしていて、弦を木琴のようにたたいて音を出す「キム」や太鼓の「タポーン」、木琴、鉄琴の「ラナート」などがあります。

【3】タイの伝統工芸

タイの伝統工芸を代表する、タイシルクをはじめ、山岳民族の美しい織物や細やかな竹編み製品などその技は今も大切に受け継がれています。北部、東北部、中央部、南部で特色のある伝統工芸品がつくられており、お土産品としても人気があります。これら特長ある伝統工芸品について、タイ政府が特産品を生かした地域振興策として「一村一品運動」を行っています。これは、日本の大分県で行われているものを模範としたもので、タイの全国に7,000近くある「行政村(Tambon)」を単位として「一品」を開発するこの運動(OTOP=One Tambon One Product in Thailand)によって、「タイ各地の職人技」「先祖代々受け継がれた伝統」「その地に産する素材」「その地の気候」これらが渾然一体となって生み出された逸品を手にすることができるようになりました。スワンナプーム国際空港にもOTOPのショップがあります。